双子の子どもを連れていると、
「どちらが上のお子さん?」、と聞かれることがよくあります。
「こっちがお姉ちゃんです」と話すと「じゃあ後で産まれたのね」って言われることが多くないですか?
実際には、ふつうに順番通りで、最初に産まれた子が第一子、次に産まれた子が第二子なのですが、世の中には「二番目に生まれたほうが最初の子」という考えを持つ人が多くいたり、「双子は後から産まれた方が第一子って昔は言ってたよね?」と言われることもよくあります。
なぜそのような言い伝えが広まっているのか?不思議ですよね。
今回は、今の戸籍法や昔の決め方、それに普通分娩・帝王切開での双子の出生時の順番などを調べてまとめました。
双子の兄弟姉妹の順番と戸籍上の決め方とは?
子どもが生まれると出生届と出生証明書を提出します。
出生証明書には生まれた日から時間までが記載されているので、戸籍法という法律により、生まれた順に兄弟姉妹が決められます。ですから先に生まれた方が長子となります。
戸籍法は明治に制定されましたが、第二次世界大戦後の家制度廃止による民法改正により全面的に改正され、現行の法律になりました。
双子の兄弟姉妹がどちらかという事柄については1874年(明治7年)、先に産まれた方を長子とするように決められましたが、この認識はなかなか広がりませんでした。1898年(明治31年)にもう一度当時の司法省から通達が出ています。
昔はどのように双子の兄弟姉妹を決めたの?
双子の兄弟姉妹問題は、遡ると古代ローマ時代に「第二子をもって兄姉とする」という決まりがありました。ただ、ヨーロッパでは「先に生まれた方が長子」という考え方だったようです。
日本は「後に生まれた子が兄・姉」という風習が長年に渡って残っていました。
理由は
- 先に生まれた子は「兄や姉のために露払いをする先鋒の役目」とする考え
- 「お腹の中で上(奥)にいた子の立場が上、だから後から生まれる子が兄・姉」という家長制度の考え
などがあったためです。
平たくいうとこの頃は、双子の上下について「特に決まりはなかった」ということです。
普通分娩や帝王切開の分娩方法によって順番は変わるの?
普通分娩でも帝王切開でも、あくまで「先に生まれてきた方」が最初の子になります。
先に述べた「家長制度」の考えが残っている人や家では「どちらがお腹の上の方にいたか」という観点から、帝王切開前に双子のお腹での位置が気になるようです。
なぜ「後に生まれた方が最初の子」が広まっているの?
現行の戸籍法は戦後すぐに施行されてから何年も経っています。なぜ今でも「後に生まれた方が最初の子」という認識の人が多いのでしょうか。
昔は双子が地域でも珍しかったため、代々「双子はそういう決め方をする」と言い伝えられ、特に疑問を持たなかったのかもしれません。
また、以前話題になった1892年(明治25年)生まれの可愛いおばあちゃん双子「きんさんぎんさん」は、後に生まれたきんさんがお姉さんでした。
マスコミに登場した双子は目立ちますので、世の中の人が「そういう決め方なのか」と納得したことも考えられますね。
結論:双子は先に生まれたほうが長子と戸籍法で決まっています
双子の兄弟姉妹は生まれた方が先と戸籍法で決められています。
もし「双子のどちらがお兄ちゃん・お姉ちゃん?」と聞かれた時「先に生まれた方が上の子」という事を納得してもらえなかったら、「戸籍法で決まっている」または「戦後の民法改正で変わった」ことをお話するといいかと思います。
私の経験では、どんな年齢の人でも「戦前はお腹の上にいた子が上の子だったそうですが、私は戦後生まれなので…」と言うと、それ以上追及されず効果的でした。
もし良かったら試してみて下さいね。
戸籍上は兄弟姉妹となっていても、ママにとって双子は双子。
周囲の声は気にせず、大変な双子育児を乗り切っていきましょう。
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